ロングインタビュー

単発講座を3回、産後のボディケア&フィットネス教室を1クール受講したその4か月後に、双子の母のサポートボランティを経験した板垣さん。

そんな板垣さんに、産後のボディケア&フィットネス教室・長岡クラスに参加された時の感想をお聞きしました。

板垣さんインタビュー

参加してみようと思ったきっかけは?

板垣さん姉が、NPO法人になニーナさんに置いてあった、「産後ケアリーフレット」を持ってきてくれて「こんなのあるよ」って教えてくれたんです。(注:NPO法人になニーナさんは、現在子育て支援センターぐんぐんの運営委託されていらっしゃり活動を継続中。リーフレットの設置はありません)

そこに書いていることがもうドツボでした。肩コリや尿漏れについて、産後はみんなこうなるって書いてあって。これはいいかもと思って、単発講座に参加してみようと思いました。

産後に赤ちゃんと二人で外出するのが初めてで不安でしたが、ちょうど4月で外に出たいなという季節だったので。

内山参加してみてどうでした?

板垣さんバランスボールでエクササイズをすることが、やってみる前はどんなものか想像できなかったけど、やってみると楽しくて。弾みながら産後の身体について知れることもよかった。

とにかく産後はみんな体力が落ちていると知ったら、「そっか」って素直に思えたんですよね。自分自身で落ちているかもと思っている分にはいいけど、人に言われた途端「いやいや違うっ!」ってなっていて。

内山わかる!私もおなじです!

板垣さん気持ちの面でもそうで、自分がなんかちょっと今落ちているなってときは、美味しいものでも食べて気分転換しようと思うけど、人に言われた途端「私の何がわかるの?」って思ったりして、素直に認めることができない。

でも、産後クラスという場所で身近な経験者とか、同じ境遇の第三者的な人が言うと「そうそう、そうだよね〜」って素直に共感できるんですよ。

内山それは家にいたらできないんですよね。

板垣さんそうですよね。身内とかだと、好きなこと言っちゃう。でも第三者だと、「この人、私のこと知らなくても、ここまでわかってもらえるんだ!」って。それで気持ちが軽くなるってことがすごくあった。本当にうれしかった。

内山その後、友達誘って3回くらい単発講座に来てくれて・・・。

板垣さんはい!!になニーナでの講座は3回行きました!

内山で、そこから産後のボディケア&フィットネス教室(4回コース)をやってみようと思ったのは、なぜでしょう?

板垣さんパンフレットに、毎週継続して通った方がいいとあって。あと、先生にも色々お話を聞くうちに、参加してみたいって思うようになって。

それこそ、単発講座に初めて参加する時は大変だった。

まだ小さい子どもを連れて、大手大橋を渡るなんて・・・時間に間に合うのかなとか・・・やったことなくて不安だったけど、出てみたらすごく楽しい世界だって、外の世界がわかった(笑)

そしたら4回行ってみたいって。自分にもできるって!!

内山覚えてる!!一番最初の時「初めて外出しました」って言ってました。

板垣さんホント、初めて2人で外出したのはあの時で、たしか産後3カ月の時だったと・・・100日終えた時。近所でちょっとで歩くとか、ベービーカーで散歩とか、夫と3人で車で出かけるとかはあったけど、2人で出かけたことはなかった。

内山大きな荷物持って、授乳やオムツ替えの心配をしながら長時間のお出かけって、不安だし緊張するし、それなら家にいようってなるところですよね。

板垣さんそう、それに本当に些細なことも不安。

今となったら泣いたら泣いたでどうってことないんだけど、あの時は大手大橋の橋の途中で泣いたらどうしようとか、車の中で泣いたらどうしようとか・・・今になれば些細なことなんですけどね(笑)でもあの時はとにかくすべてが不安でした。

産後のボディケア&フィットネス教室で良かったことは?

内山4回やってみて、一番良かったことは?

板垣さんそこで友達や仲間に出会えたことですかね。今でも、会えなくてもメールやLINEで「これってどうしてる?」って聞き合ってます。ママ友じゃなくて、自分が子育ての相談ができる友達ができたことですかね。

内山ママ友じゃなくて、相談できる友達!ちなみに、その「ママ友」のイメージとは?

板垣さん子どもの存在が前提の、子どもをきっかけに知り合った人、かな。

子どもの名前はわかるけど、ママの名前は知らない。当たり障りのない子どもの話ばっかりで、旦那や家族の話はしないし、知らない。

そういうところに立ち入っちゃいけない部分な気がして。本当に子どもの話しかしない。母親自身の話もしないから秘密のベールに包まれていて・・・。

子どもの話から自分の話って持って行きにくく感じて、自分のことも秘密のベールに(笑)

それが私のママ友のイメージですかね・・・。

内山そうですよね・・・子どもの話ばかりで相手の名前も知らなくて、○○ちゃんママとしか呼べない関係だと、私、こういう仕事をやってます!とか、きっかけがないと言いにくし、聞かれもしないのに言いだすわけにもいかないし(笑)

産後クラスだと何でも話せちゃう?

内山相手のことを知らないのに、夫とのケンカについて話しだすのって勇気がいるというか・・・。子どもは目の前にいるから話題にできるけど、さすがに夫とか仕事とか家族のことまではどう切り出していいものか。できるようになるとしても時間がかかる。きっかけをつかむまでは探り合いというか・・・好きとか嫌いとかじゃなくて・・・。

板垣さんでも、産後クラスだとなぜか何でも話しちゃうんですよね。4回のシェアリングの中で話せちゃう。

内山子どもの話もするし。

板垣さん家の話とか、夫の話とか。

内山その時の自分が気になる話とか・・・そう言うことぽろっと話せるっていいですよね。「ちょっと聞いてよ~!」って。でも仕事の話もしたり。

板垣さん昔からの仲のいい友達ともいろいろ話せるけど、産後クラスで知り合った友達は、またそれとは違う。別の自分のことをよくわかってくれるような。

内山昔からの友達が、同じ時期に出産していれば通じ合えるところがあるけど、実はまれなパターンかも。まだ結婚していなかったり、出産経験がなかったりする友達と話す時って、うまく伝わらなくてモヤっとしちゃったりしませんか?

板垣さん確かにそれはありますね・・・。だから、そう言うことを暗黙の了解で共感できて、話せる友人ができるっていうのは、卒業した今でも良かったって思うんです。

内山でも、シェアリングで話すことに初めは抵抗なかったです?私はインストラクターになる前に初めて参加した時は、もうダメ、抵抗があって。あ、今はそんなことないですけど(笑)

板垣さん終わってみるとアレがよかった!シェアリング!

内山そうなんですね!!1クール終えてシェアリングがよかったと思えること、すごい!うれしい!私はその良さを言葉にするまでに2クールかかりました・・・(笑)。

板垣さん自分が話したことを返してもらうだけですごく整理がついたり、人の話を聞けてみんながこういうことを思っているんだなってわかるのが・・・うん、すごくいい運動をした後からの、今度は内面からっていうのがすごく良かった。

自分の身体をケアしてコントロールできる。そしてココロもケアできる実感というのかな。充実した感じが。すごく体力がついて、体が軽くなった。動ける自分ができた。

内山うん、動ける手ごたえって、産後は本当に大きいと思うんです。自信につながるし。

板垣さん私、バランスボール風のスリッパ買いました!

内山そ、そんなのあるんですか?

板垣さんはい、でもヒラメ筋が痛くなって終わりました。転んだら危ないし!

内山あははははっ!それなら私、1人目の産後はビリーズブートキャンプやってました!

板垣さんええー!(笑)

内山あのDVDどこにいったんだろう?あれ、ハードで・・・。続かないし痩せなくて、あんなにがんばったのに(笑)

空き時間なんてない。

板垣さん身体を動かすにしても、空いた時間を使ってとか言うけど、その時間がなくて大変なんですよね。空いた時間なんてどこにもない・・・。だからこそ、決められた時間に通えるっていうのがいいんです。

内山はじめは、そうなんですよね、週に1回というのも無理がなくて同じ曜日だとリズムがつく。1日おきだと、ちょっと大変じゃないですか?

板垣さんあと、ちょっと運動が苦手な人でも「あ、できた!」ていう感じになれるのがいい。リズム感なくてもできる感じ・・・

内山筋力がついてくるとリズム取れるようになるんですよ。でも、ちょっとリズムに合っていなくても、バランスボールで弾むのが単純に楽しいですよね。

板垣さんそうそう、楽しい!ちょっと間違っても、全然気にしないというか、「まあいいや!」って思えるし。

私、出産するずっと前は、仕事がきつくて体力ないなと思って、体力つけたくてスポーツクラブとか行ってたんですけど、一回休んだらもう急に嫌になって・・・継続するのが大変・・・。

内山長く続けるには、友達と一緒に楽しんでとか、インストラクターが楽しいとか、自分の努力以外のところが大事なんです!

板垣さん1回休むと、バタバタバタっと、行かなくなる。

内山そうそう、継続は大事だけど、体のケアを楽しんでやるということがすごく大事なので、4回で1クールというのがちょうどいいんです。

板垣さんそうそう、すっごく楽しかったです。もっとやりたいって思ったし。

内山しかも同じメンバーでというのが大事で、「また来週!」って声をかけ合えて、また来週がそこにあるという約束のようなものがあると来週も来よう、来たいって思うんですよね。

産後で時間の感覚がマヒしているところに、突然約束が舞い込むことの嬉しさったら。予防接種とか健診とかの赤ちゃんの用事じゃない、私の用事。スケジュールに予定を書き込める事のワクワク感!

板垣さん自分の時間が取り戻せるって感覚がうれしかったですね。

産後クラスに参加して、他に変わったことは?

内山産後クラスに参加して、他に変わったことってありますか?

板垣さん子どもができて・・・・妊娠して産むまでは嬉しいことだったのに、産まれたら外出できない自分に暗くなっちゃって。子どもが産まれて嬉しいのに外出できないことで、なぜか急に世界が閉ざされちゃって。私、いろいろできなくなっちゃった!って。

でも、産後クラスに通ったことで「外に出られるんじゃん!いろいろできるじゃん!」って。こんな大荷物持って、エルゴして、子ども抱っこしてても、「あ、できるじゃん!!」って。

今考えれば、なにもできなくなっちゃったって勝手に決めつけて思いこんでいたんだなって。そこが一番変わったかな。あんなに外出が不安だったのに。

内山もともと、出かけたりするのが好きでした?

板垣さんはい、結構一人でよく出かけていたんです。独身が長くて、このまま一生独身かもしれないと思っていたので。「おひとりさま」は得意だった。だから、出かけられないのが余計に残念だったんだって思います。

内山確かに、外食なんて家族とかの大人の手助けがあって、やっと行けるかもって。行ける「かも」ってレベル・・・。

板垣さん赤ちゃんと一緒に外出するだけで緊張するのに、ランチなんて無理!って思ってました。

でもクラス終わってみんなでランチに行った時は、大変というよりも楽しかった〜!みんなでランチは、それぞれ子どもがいて余計に大変そうだったんだけど、ちょっとぐずって食べることが中断されても、まあいいやって思えるんですよ。

内山赤ちゃんがいて外食のハードルが上がっているのに、クラス後のランチはそのハードルが下がるという感じでしょうか。

板垣さんでも、みんなでクラス後にランチに言った時よりも、夫とランチに行った時の方がすっごく大変に感じてしまった。もう外食はいいやって。

夫との関係については?

内山夫との外食でもういいって・・・関係はどんなだったのかって聞いてもいいですか?

板垣さんはい・・・ランチもそうだけど・・・自分が悩んでても、今日はこれ言わないでおこうとか。将来のことなんかも、これはまだ言わないでおこうとか。そういうことが結構あった。自分で勝手に言わないでおこうって決めつけて。

それをクラスで相談したら、自分が心配でしょうがないってことを「それは夫に言ってみたら?」って言われたんです。

だから思い切って夫に話してみました。
「私あなたが思っている以上に心配で心配で仕方がないんだよ」とか「今日バランスボールしてこんなことして、こういう話をしてきたんだよ」とか。

そしたら「あ、そうなんだ~」「そんなに悩んでいたんだ」って、まず受け止めてもらえたってことがよかった。それだけでも、随分気持ちが軽くなりました。

卒業後にも、サポートボランティアに入ってくれた板垣さん。

内山板垣さんは卒業後に、双子の母のボランティアサポートに来てくれましたが、双子ちゃんのサポートに手をあげてくださった理由はなんだったのでしょう?
(板垣さんご自身のお子さんは、お母さまに預けてサポートに入ってくださいました。)

板垣さん自分がやってみてすごくよかったので、単純に協力したかった。赤ちゃんが1人いるだけで大変なのに、2人いるなら手助けが必要だろうって。サポートに入ったのに、自分も楽しませてもらったし。

内山そうそう、双子のお母さんのサポートを目的に来てもらったんだけど、サポートボランティアもひとりの参加者ですから。

板垣さん数か月前戻ったような・・・自分の子どもとは違うかわいさもあるし。懐かしいし。

今の自分は、子どもを母に預けて出かけることもよくあります。母も「行ってきなよ!何時から何時まで?」ってサラッと聞いてくれて。私も「行きたいんだよね・・・」と相手の様子を伺うよりも、「行ってくるからお願い!」って、すごく積極的になって。

ただ、いざ行くとなると、大丈夫かな?と心配になったりして。でも行ったら行ったで楽しかったし、すごく良かった。母にも、私の子どもにとっても良かった。私自身は、こうやって少しずつ復帰していくんだって。自分が思っているより、全然大丈夫なんだなって。

内山大丈夫って言うのは、自分も子どもも、周りも、ってことですか?

板垣さんはい。子どもの月齢が小さかった頃は、泣いていたらどうしようとかすごく不安だった。でも、信頼してお願してきたわけだし、泣いていたらそれなりに母がどうにかしてくれる。よく考えてみればわかることなんだけど、子どもが小さい頃はものすごく不安だった。

内山ひとりで抱えなくていいというのは、子育てにとって心強いですね。

板垣さんはじめは双子のお母さんを手助けしたいという思いだった。けど、結果としてちょうど仕事復帰まで2カ月で、自分にもよい準備になった。

それに、久しぶりにバランスボールで弾んで、自分の体力がいかに落ちてるかも思い知りましたし。久しぶりにやってみると体が軽くなるって本当だったんだって実感したんですよ。産後の時はそこまでの余裕がなかったけど。心も体も軽くって、その日得した~って気分。

内山あ、それ私たちインストラクターもそうなんです。一日デスクワークの日もあるんだけど、午前中教室があって、体を動かした日の方が体が軽いんですよ。

板垣さん先生でもそうなんですか!(笑)

子どもが増えて、知り合える人間が増えることで、私自身の社会も広がって・・・職種も年齢も違う人と知り合えるっておもしろいですよね。これも母になったからなんですよね。

産後ケア教室に来るとそういう人たちと、ママとしてじゃなくひとりの人間として出会える、そこがいいですよね!サポートボランティアも、そういうチャンスが増える場所。サポートを受ける方もする方にとっても。

内山子どもを介してじゃなくて。もちろん、子どもを無視するわけじゃない。むしろ自分以外の子どもの成長も一緒に見守ることになるから、本当に豊かな産後だと思うんです。

板垣さん子どもを介してだと、子どもの話ばっかりになっちゃって・・・って、さっきも話しましたね(笑)

内山うんうん(笑)

これから出産する人へ。

内山これから出産する人へ、何か一言お願いします。

板垣さんママ業だけでなく、自分の時間を持って欲しい。

それには、まず自分が元気にならないと!
だから産後のケアが大事で。ひとりの女性として、自分を見つめる大事な時間が大切で。それは産後クラスで見つけることができる。

だからママになってからも、自分探しをしよう!
子どもがいたって、できないわけじゃない。

確かに、大人になっていろんなことが自由にできるようになって、遊ぶこともひとりでいる時間もあって、やりがいのある仕事があって、学生の時とはまた違う楽しさを知っていると、子どもが生まれた後のギャップが大きい。

今までと同じように飲みに行くとかできないし、ひとりでアピタに気軽に行けないし、どうしても子ども中心になる。

ひとりで外に出ることが大好きだった私が、赤ちゃんと一緒にただ、近くのセリアとアオキと原信に行きたいだけなのに「えーっと、えーと」ってなってた時はすごく辛かったし、追い詰められてた感じだった。

でも、友達とランチに行けたり「ここがよかったよ」って言ってくれる新しい仲間が増えて、友達とのやり取りが楽しめることが産後ケアなんだと思うから。子どもがいるからって何かができないって言うわけじゃなくって、子どもがいても変わらずにこんなことができる。新しいことも生み出せる。

内山そうですよね。でもそこから新しい楽しさも生み出せるし、世界が広がるし。そう言う楽しさを感じることができるようになることが産後ケアなんですね・・・

板垣さんもっと自分の人生を愉しんで欲しいし、子育てで終わるなんてことはないから。自分らしさを失わないためにも、産後のケアをぜひやって欲しいと思います。

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このインタビューの1か月後、板垣さんは仕事に復帰しました。

初めて出会ってから9カ月。どんどん自分を取り戻し、自分の言葉で語る板垣さんは、凛としてとても素敵でした。

板垣さん、どうもありがとうございました!!

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